アザは、医学的に「母斑」といい、ある一部の皮膚に生じた色や形の異常を総称して呼ばれています。アザの多くは生まれつきですが、中には出生後に発生する場合もあります。生まれつきの場合、また出生後発生(遅発性母斑)の場合のいずれも、母親の胎内にいる「胎生期」に、体の一部が突然異変を起こしてできるものだと考えられています。けれども、その原因についてはまだ明らかになっていません。アザの種類を大きく分けると、青アザ・黒アザ・茶アザ・赤アザ・白アザに分類されます。その他にも、表皮母斑、脂腺母斑などがあり、これらのアザの多くは最新のレーザー治療によって完治させることが可能になってきています。とはいっても、アザの種類や症状によってその治療方法も異なります。まずは信頼できるクリニックにおいて検診を行うことをお勧めしますが、その前段階として、レーザーによる治療が可能なアザ4種類について、特性・治療方法などを具体的にご紹介します。
青アザといわれているものには、太田母斑・蒙古斑・伊藤母斑・桜根母斑・青色母斑などがあります。種類によって、現われる部位や特徴も異なり、それに合わせて治療方法も変わります。中には拡大したり、悪性化するものもあります。
●蒙古斑
出生時、赤ちゃんのお尻に見られる青アザのことを蒙古斑といいます。母親の胎内にいる時に、真皮の中に留まっていた色素細胞が現われたもので、これは東洋人の約90%に見られます。その数も1つだけのこともあれば、たくさんあることもあります。通常、お尻にできた蒙古斑は5〜8歳頃までには自然に消えます。また、四肢や顔面、腹部にできるものは異所性蒙古斑といわれ、大人になっても消えないことがあります。
【蒙古斑の治療方法
最新のレーザー治療によって、傷跡を残さずきれいに取り除くことが可能になりました。色素が浅い部分にある場合は、1回のレーザーで完治することもありますが、色素が皮膚の奥に残っている場合は、数回のレーザー治療が必要になります。

●青色母斑
青色母斑は直径1センチ程度の濃い青色。表皮基底層に存在するメラノサイトが真皮内に存在する状態で、メラノサイト量が多いため結節状となっています。 出生時より存在するものと、幼児期に発生するものがあり、手の平と足底以外どこにでも見られ、触るとやや硬いのが特徴です。青色母斑には細胞増殖型があり、徐々に巨大化し、稀に悪性化するものもあります。遺伝性はありません。
【青色母斑の治療】
アザの状態を診察してから、レーザー治療を行うか手術により切除するかを決定します。いずれにしても早期に受診される方が良いでしょう。

●その他の青アザ
褐青色斑が肩から腕にかけて発生したものを伊藤母斑といいます。太田母斑とほぼ同じ症状で、発生する部位が異なったものです。生まれつき、または幼児期に現われ、女性に多く、自然に消えることはほとんどありません。また、同じような症状で、首の周りや顎の下などに現われる桜根母斑などもあります。
【その他の青アザの治療】
伊藤母斑の場合、母斑の範囲が広いことが多いため、レーザーによる治療終了までに期間は要しますが、完治します。また、桜根母斑も太田母斑の治療方法と同じです。

私たちが一般的にホクロと呼んでいるのは母斑細胞のこと。その母斑細胞が一部に密集したものが色素性母斑で、いわゆる黒アザと呼ばれているものです。黒アザの中には、ごく稀に悪性腫瘍の発生母地になるものもありますので、早期に専門医の診察・治療が必要です。
●母斑細胞母斑
出生直後より見られるものは、15ミリ前後の平らな黒褐色斑が多く、後天的に発症するものは小さくて少し盛り上がる黒褐色丘疹が多くなります。遺伝性はなく、大きくなることはほとんどありませんが、稀に悪性化するものもあるため、手の平や足底の皮疹や、比較的大型のもの、皮疹部にかゆみ・発赤がある場合は、皮膚科医を受診した方が良いでしょう。
【母斑細胞母斑の治療】
検診によってレーザー治療、切除・縫合などの手術治療、またはそれらの組み合わせの複合治療のいずれかを選択します。短期的治療を望まれる場合は、切除・縫合の手術が最も早い方法ですが、傷跡が残るデメリットがあります。傷跡が残っても問題のない足裏などには効果的ですが、そうでない部位については、多方面から考え合わせ、最も適した手術方法を選択していきます。

●有毛性母斑細胞母斑
黒アザの中には、アザ部分に毛が生えてくる有毛性母斑細胞母斑もあります。大きさは、小さなものから広範囲に渡っているというものまで様々です。
【有毛性母斑細胞母斑】
有毛性母斑細胞母斑にもレーザー治療は有効です。アザの状態によってヤグレーザー・ルビーレーザー・炭酸ガスレーザーなどを使用し、月1回の治療を行います。アザの色が薄くなるにつれ、毛根も弱くなり、アザ上の毛も薄くなります。いずれにせよ、信頼できる医師の診断のもとに治療を行うようにしましょう。

茶アザは扁平母斑と呼ばれ、アザの中でも発生頻度が10%前後と最も高く、一般的なアザといえます。そのため、シミと間違えられたりすることがあります。自然消退はありませんが、悪性化するものではありません。
●扁平母斑
先天的に表皮のメラニン量が周囲の正常部位より多い、数ミリから数センチの盛り上がりのない平らな褐色斑(カフェオレ色)です。出生時より存在するものは、成長につれて皮膚の面積が拡大する割合に一致して大きさを増します。手の平・足底以外のどの部位にも生じ、数ミリから数センチで、数は3〜4個程度。遺伝性はないものの、直径1.5センチ以上の扁平母斑が6個以上ある場合は、扁平母斑ではなく“レクリングハウゼン病”の可能性もあるため、早期の検診をお勧めします。
【扁平母斑の治療】
Q-スイッチルビーレーザー・ルビーレーザーなどによる治療で薄くはなります。更に、治療後はしっかりとした紫外線対策を行うことで、再発する可能性を軽減できます。

●遅発性扁平母斑
一見、扁平母斑と同様に見えますが、生まれつきではなく思春期前後に前胸部・肩・上背・上腕に片側性に生ずる、有毛性の大型の扁平母斑です。別名をベッカー母斑ともいい、男子に多く見られます。母斑の発生初期には有毛性ではなくとも、後に発毛してくるのが特徴です。
【遅発性扁平母斑の治療】
レーザー治療によって、最も反応がよく効果があるのがこのタイプです。治療後は傷跡も残らず、再発の心配もありません。
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